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スペシャルインタビュースペシャルインタビュー

~デザイナーに聞くシリーズ第1回~
「年賀状は誰がどうやってデザインしているの?」

MAXRADIAN

※このコンテンツは、2015年に作成されたものです

フジフイルムでは、多くのデザイン会社やデザイナーの方々の協力のもと、600種類以上の年賀状デザインを用意しています。デザイナーたちが、年賀状に込めた思いやこだわりとは? フジフイルムの年賀状を制作しているデザイン会社、マックスラジアンを訪ねました。

デザイナーの方々

富士フイルムの年賀状は、誰がどうやってデザインしているの?

フジフイルムの年賀状デザインは、600種類以上。多くのデザイン会社やデザイナーの方々の協力のもと、幅広い年齢層の方が使いやすい多彩で個性豊かな年賀状を用意しています。

東京・上大崎に本社を構えるデザイン会社、マックスラジアンもそのうちの一社。2015年版からフジカラー年賀ポストカードの一部デザインを手がけはじめ、2016年度版では十数名のデザイナーが関わって、約40点を制作しました。

フジフイルムからは、「干支をいれてほしい」「出産報告はかわいらしいトーンで」など簡単なイメージを伝え、あとはできるだけデザイナーのセンスにおまかせしています。色の微調整などブラッシュアップや仕上げをおこない、構想からフィニッシュまで半年程度です。

普段は食品などの商品パッケージデザインを得意とする同社ですが、年賀状ならではのデザインのこだわりや苦労はどんなところにあるのでしょうか?今回は3名のデザイナーにインタビューをおこない、年賀状作りの裏話やデザインに込めた思いを伺いました。

「主役は写真」/グループリーダー 菊池真理子さん

菊池真理子さん

1人目は、グループリーダーの菊池真理子さん。同社における年賀状制作の全体をとりまとめつつ、ご自身もデザインを手がけています。

2016年版の菊池さんの作品は、羊毛フェルトのサルを使ったもの。愛らしいサルのマスコットは、知り合いにこのためだけに作ってもらったという、世界に1つだけのオリジナルです。

「2015年版で作ってもらったヒツジの羊毛フェルトがとても評判が良かったので、同じ作者の方に2016年の干支であるおサルさんバージョンをお願いして、作ってもらいました。それを撮影して、デザインに入れています。羊毛フェルトあってのデザインなのですが、羊毛フェルトがあまりにかわいいので、うっかり羊毛フェルトを主役にしたデザインにしないよう気をつけました。あくまで主役は写真だということを忘れないよう心がけています」(菊池さん)

具体的には、背景の色を調節して少しなじませる感じにするなど、目立ちすぎないように工夫しているそうです。

「普段よくやっている商品パッケージのデザインは、ある意味、目立ってナンボの世界。でも年賀状は、お客さまが入れる写真が主役です。写真の空気感をじゃましないのはもちろん、できれば写真の楽しさをもっと伝えられるような、写真の雰囲気をさらに盛り上げるようなデザインにできたらいいな、と考えて作りました」(菊池さん)

サルのマスコットは出産報告用と一般的な年賀状の2つのデザインに使っています。出産報告向けのデザインでは、取り外し可能なスタイをつけ、まわりにはベビーカーやミルク、ガラガラなど赤ちゃんのお気に入りグッズをちりばめて、誕生をかわいくご報告。赤ちゃんの雰囲気に合うやわらかく、かつ明るい色合いにしたそうです。一方、一般的な年賀状ではスタイをはずし、落ち着いた色使いで幅広く使いやすいデザインに仕上げました。甘くなりすぎず、ほんわかおしゃれな雰囲気です。

年賀状のデザインならではのおもしろさとは?

  • 年賀状のデザインならではのおもしろさとは?

    ↑色鉛筆で手書きした下絵

  • 年賀状のデザインならではのおもしろさとは?

    ↑実際にデザインに使用されたぬいぐるみは世界で1つだけ。
    フジフイルムの年賀状のために特別に作られています。

菊池さんによれば、年賀状のデザインには「写真が主役」ということのほかにも、商品パッケージのデザインとはまた違ったおもしろさがあるそうです。まず1つは、年賀状の定番要素である「干支」。干支が入っていると、見返したときに「あの頃のものだなあ」と思い出が、かんたんによみがえります。

「干支を使う場合、ポーズを決めるために、動物の習性や特性を調べるんですが、それもおもしろかったですね。2015年のヒツジはモコモコした雰囲気なので、ただ描くだけでもかわいかったのですが、サルの場合は、何かポーズをとらせたい。でも、よく見かける仕草といえばグルーミング(ノミ取り)だったりして、そのまま使うのが難しかったり(笑)」(菊池さん)

それからもう1つ、「デザイナーの思いが、ほぼそのまま形になる」というのも、年賀状デザインならではの醍醐味だそうです。

「テーマやイメージを与えられたうえで、あとは基本的に好きに作ってくれていいよ、というお仕事は通常はあまりないんですね。自由度が高いぶん、作品をお見せするときはドキドキしますが、わりと好きに楽しく作れています」(菊池さん)

この年賀状にはデザイナーのどんな思いが込められているのだろう?そんなことを想像しながらデザインを眺めてみると、年賀状選びの楽しさも広がりそうです。

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